日常的に利用しているスマートフォンの正規銀行アプリが、知らないうちに攻撃者の改変版へすり替えられる新種マルウェア「Hirudo」が確認されました。従来の偽画面を重ねる手口と違い、正規アプリ自体を丸ごと置き換えるため、外見から偽物と見抜くことが極めて困難な危険な脅威です。
セキュリティ企業ThreatFabricによると、Hirudoは標的の銀行アプリを検知すると偽の更新案内を表示し、利用者に元アプリを削除させて改変版を導入させます。内部の識別名やバージョン情報まで本物と同じに偽装されるため、利用者が違和感に気づく余地を巧妙に奪っています。
さらに改変版は画面撮影の制限をすり抜け、GoogleのPlay Integrity検証にも偽の正常値を返す機能を備えています。動画配信や買い物を装う不正アプリが感染経路となり、すでに複数銀行で標的アプリが確認され、ログイン認証情報やSMSの窃取による不正送金が懸念されています。
被害を防ぐためには、アプリから突然アップデートや削除を要求されても、指定された案内に従わない冷静な対応が必須です。銀行アプリの更新は必ず公式ストアから直接行い、不審な再インストール要求には絶対に応じないようセキュリティ対策を徹底しましょう。
ネット上の声5選
- アップデートに見せかけて正規アプリを削除させ、本物そっくりの改造版を入れる手口は巧妙すぎて見抜ける自信がない。
- 今までの偽画面を重ねるオーバーレイ攻撃と違って、アプリそのものがすり替わるのは防ぎようがなくて本当に恐ろしい。
- 公式ストア以外から野良APKをインストールしないという基本原則を徹底することが、最大の自衛策だと再認識した。
- セキュリティチェック機能のPlay Integrityまで偽装して検知を逃れようとするなど、ウイルスの進化スピードが早すぎる。
- 銀行アプリからアップデートを指示されたとしても、必ずGoogle Playで検索して公式ページから更新するようにしたい。
(※引用ではなく、Web上で目立った論調・感想をまとめたものです)
最近のマルウェア の豆知識5選
- かつてのバンキングマルウェアは正規画面の上に偽画面を重ねる「オーバーレイ攻撃」が主流でしたが、最近はアプリ自体を改造版へ直接すり替える手口が登場しています。外見や内部名まで本物と同じに偽装されるため、利用者が目視で違いを見抜くのは極めて困難になっています。
- 最近の不正プログラムは最初から悪意ある機能を持たず、無害な便利アプリを装って公式ストアの審査を通過します。導入された後に本体を追加で落とし込む「ドロッパー」と呼ばれる多段階の手法により、最新セキュリティの厳重な監視網を巧みにすり抜ける脅威が急増しています。
- Androidマルウェアの多くは「ユーザー補助(アクセシビリティ)」機能の権限許可を執拗に求めてきます。この権限を悪用されると、画面情報の自動読取りや勝手なタップ操作が可能となり、二要素認証のワンタイムコードまでも遠隔から容易に盗聴・悪用されてしまいます。
- 感染端末内で利用者に気づかれずに送金処理を完了させる「ATS(自動送金システム)」の搭載が進んでいます。口座残高の照会から指定先への送金、着信した確認SMS通知の隠蔽までを全自動で行うため、利用者が口座被害に気づくのが大幅に遅れてしまう恐るべき仕組みです。
- 現代のサイバー犯罪では、マルウェアを自作せずとも定額料金や成果報酬で借り受ける「MaaS(サービスとしてのマルウェア)」が定着しています。高度な技術を持たないサイバー犯罪者でも凶悪な攻撃を仕掛けられるため、新種や亜種の拡散が世界中で急速に加速しているのです。


