ちょっと古いのですが、見逃していたので・・・
Appleは2025年7月8日、ティム・クックCEOの後継候補と目されてきた最高執行責任者(COO)ジェフ・ウィリアムズ氏が、今月末にCOO職を退任し、年内に完全退社する予定と発表しました。これはアップルが「長期的に計画された継承」であると説明しており、同氏の後任にはオペレーション担当シニアバイスプレジデントのサビ・カーン氏が昇格することになりました。
ウィリアムズ氏は1998年にAppleに入社後、調達・サプライチェーンの構築に深く関わり、iPodやiPhoneの初期生産体制を支えました。2015年にCOOに就任し、Apple Watchの開発や企業の健康戦略(Health initiatives)を推進。さらに、2019年のジョニー・アイブ退社以降は同社のデザインチームも統括し、その存在感を強めてきました。その働きぶりから「ティム・クックのティム・クック」と評されることもありました。
退任後、カーン氏はCOOとしてサプライチェーンや製造、物流といったアップルのオペレーション全領域を担当。一方で、ウィリアムズ氏は退職に至るまでデザインおよびHealth関連の責任を持ち、これらのチームは最終的にクックCEOに直接報告する体制に移行するとされています。
この人事は、クック体制下での最も大きな経営陣の刷新のひとつとされており、特にCOOとして長年クックを支えてきたウィリアムズ氏の退任は、アップルの後継者戦略に新たな疑問を投げかけました。ウィリアムズ氏は2025年末まで在籍し、2025年7月末にはCOO職を離れ、年末に退社予定です。カーン氏への移行は「長期計画に基づく段階的継承」であると強調されています。
ジェフ・ウィリアムズCOOとは
ジェフ・ウィリアムズ氏(Jeff Williams)は1963年生まれのアメリカ人経営者。ノースカロライナ州立大学で機械工学の学士号、デューク大学でMBAを取得後、IBMにてエンジニアリングとオペレーションの経験を積み、1998年にAppleに入社。
Appleでは調達責任者としてキャリアをスタートし、2004年にオペレーション部門副社長、2015年にCOOに就任。以来アップルのグローバルな供給網、製品品質、物流、製造、Apple Watchや健康戦略、デザイン統括など幅広い領域を統括してきました。
ティム・クックの下で長く信頼されてきた右腕であり、後継CEO候補として期待されながらも、今回自身の意思での退任となりました。退職後は「家族や孫と過ごす時間を大切にしたい」とのコメントもありました。



