OpenAIと元Appleのチーフデザイナー、ジョニー・アイブ氏が共同で開発中の「首かけAIデバイス」が注目を集めています。このデバイスは、iPod Shuffleのようなコンパクトな形状で、ディスプレイを搭載せず、音声操作や周囲環境の認識が可能なマイクとカメラを内蔵しています。スマートフォンやPCと連携し、それらの演算機能や表示機能を活用する設計となっており、首にかけて装着するスタイルが想定されています。量産開始は2027年を予定しており、デザインや仕様は今後変更される可能性もあります。
このデバイスは、軽量化とバッテリー駆動時間の確保を優先し、画面を搭載せず、音声と映像によるマルチモーダルなインターフェースを志向しています。ユーザーは、設定や操作、情報の確認などをスマートフォンの専用アプリを通じて行うことになると考えられます。
既存のAIウェアラブルデバイスであるRabbit R1やHumane AI Pinは、ディスプレイ相当の機能を備えていますが、アクティブに使用した場合のバッテリー駆動時間は2.5時間から4時間程度にとどまっています。アイブ氏はこれらについて「非常に劣悪な製品だった」と厳しく批判しており、新たなデバイスではこれらの課題を克服することが期待されています。
このプロジェクトは、AIを物理的なデバイスに組み込み、現実世界と直接インタラクションさせる「フィジカルAI」という新しいカテゴリに属します。OpenAIのサム・アルトマンCEOは、自宅でこのデバイスを試用し、「世界がこれまでに見た中で最もクールな技術になる」と語っており、自信をのぞかせています。
iPod Shuffleとは?
iPod Shuffleは、Appleが2005年から2017年まで販売していた超小型のデジタル音楽プレーヤーです。ディスプレイを持たず、物理ボタンで操作するシンプルな設計が特徴で、ランダム再生(シャッフル)機能に特化していました。小型軽量でクリップ付きのデザインは、スポーツや通勤時の使用に適しており、多くのユーザーに愛用されました。第4世代モデルでは、VoiceOver機能により曲名やアーティスト名を音声で案内するなど、シンプルながらも先進的な機能を備えていました。2017年に販売が終了しましたが、そのミニマルなデザインと使いやすさは、現在でも多くのファンに支持されています。



