Appleが次期iPhoneやMacBookなどの端末価格高騰を抑えるため、米政府の制裁対象(ブラックリスト)に指定されている中国のDRAM大手「CXMT(長鑫存儲技術)」からの半導体調達許可を求め、トランプ米政権へロビー活動を展開していることが明らかになりました。
背景にあるのは世界的なメモリ価格の高騰です。現在、SamsungやSK hynixといった主要サプライヤーがAI向けの超高速メモリ(HBM)増産へシフトしたため、汎用DRAMの供給不足が発生しています。これに伴う部品原価の上昇と端末値上げを回避したいAppleは、第3の供給網としてCXMTを取り込み、価格競争力を維持する狙いがあります。
英紙フィナンシャル・タイムズなどの報道によると、Appleは米商務省やホワイトハウス高官へ特別免除を要請しました。しかしCXMT側は、HuaweiやXiaomiといった中国テック大手による高額な長期契約で生産枠が埋まっていることを理由に強気な価格設定を崩さず、Appleからの値下げ要求を拒否したと報じられています。
安全保障上のリスクを抱えながら中国企業へ接近したものの不発に終わった今回の事態は、Appleが誇ってきた圧倒的な購買力と価格交渉力の限界を示しており、次期iPhone 18シリーズなどの最終的な販売価格設定に深刻な影響を与える可能性があります。
ネット上の声5選
- iPhoneの値上げを防ぐためとはいえ、安全保障上で制裁対象となっている中国企業へ頼ろうとする姿勢にはリスク管理の甘さを感じるという懸念。
- これまでサプライヤーを競わせて圧倒的な安値で調達してきたAppleの強気な手法が、中国メモリ大手に拒否されたことに対する驚き。
- サムスンやSKハイニックスがAI向けHBMに注力して汎用メモリが逼迫している状況を考えれば、Appleが調達先の拡大を急ぐのも仕方がないという意見。
- コスト削減策が頓挫した以上、次世代iPhoneの上位モデル(Proシリーズなど)は本格的な値上げが避けられないのではないかという落胆の声。
- 米中対立の激化による制裁措置と、企業の利益確保・サプライチェーン防衛との間で生じる矛盾が生々しく表れているという指摘。
(※引用ではなく、Web上で目立った論調・感想をまとめたものです)
CXMT の豆知識5選
- 中国DRAMの内製化を牽引する中核企業
長鑫存儲技術(CXMT)は2016年に安徽省合肥市で設立された、中国を代表するDRAM専業メーカーです。国家ファンドなどの手厚い支援を背景に、中国国内における半導体の内製化と自給率向上を牽引する中核企業として世界市場でも存在感を高めています。 - 寡占市場へ挑む世界シェアの急伸
サムスンやSKハイニックス、米マイクロンが寡占する世界DRAM市場において、CXMTは急速にシェアを拡大しています。積極的な設備投資と増産により世界シェアは従来の約3%から8%規模へと急伸しており、第4の主要勢力として世界中から大きな注目を集めています。 - 制裁下でも進化するメモリ開発力
米国による製造装置の輸出規制を受けながらも、CXMTは技術開発を着実に進めています。スマートフォン向けの省電力メモリ「LPDDR5」の量産化に成功したほか、次世代規格である「LPDDR6」の少量生産も計画するなど、大手競合との技術格差を急速に縮めています。 - 中国テック大手との強固な供給同盟
米国の制裁リスクに直面するファーウェイやシャオミなどの中国大手スマホメーカーは、安定調達のためCXMTと長期契約を締結しています。自国市場での強大な需要に支えられているため、海外企業からの厳しい値引き要求にも一切屈しない強固な価格交渉力を持っています。 - 北京新工場の建設と生産能力の大幅増強
CXMTは急増する半導体需要に応えるため、北京などで新工場の建設や拡張プロジェクトを精力的に進めています。現在の月産能力を約2倍となる月産60万枚超へと引き上げる計画を推進しており、今後の世界的な半導体サプライチェーンにおいて更なる存在感を放ちそうです。



