ソフトバンクグループ(SBG)は2025年12月29日、米国のデジタルインフラ投資会社DigitalBridge Group, Inc.を買収することで合意したと発表した。買収額は約40億ドル(日本円で約6400億円前後)で、現金1株当たり16ドルのオファーによる全株式取得となる見込みだ。DigitalBridgeはデータセンター、通信タワー、ファイバー網、エッジインフラに強みを持つオルタナティブ資産運用会社であり、2025年9月末時点で約1080億ドル(約15兆円)規模の資産を運用している。買収は2026年後半の完了を予定しており、買収後も独立経営体制で事業を継続する計画だ。
この買収はソフトバンクが進める人工知能(AI)戦略の一環と位置付けられている。SBGの孫正義会長兼社長は、次世代AIサービスの大規模展開にはデータセンターなどの物理的インフラが不可欠であり、DigitalBridgeの技術力とグローバルネットワークがその基盤強化に寄与するとコメントしている。また、これまでOpenAIへの巨額投資や「Project Stargate」と呼ばれる大規模AIインフラ構築プロジェクトへの取り組みなど、AI関連投資を積極的に進めてきたソフトバンクにとって、DigitalBridgeの買収は戦略的な意味合いが強い。
市場の反応としては、買収報道を受けてDigitalBridgeの株価が急騰し、買収オファー額を巡る期待感から株式市場でも関心が高まっている。一方で、ソフトバンクの株価は前年まで大きく上昇したものの、AI投資バブルへの懸念や資金調達面の課題を背景に変動が続いているという見方もある。買収完了後にどのようなシナジーを生むかが今後の焦点となる。
ネット上の声5選
(※引用ではなく、Web上で目立った論調・感想をまとめたものです)
- AIインフラ強化は戦略として正しいという肯定的意見が多い。
- 買収額が高いとの指摘やリスクを懸念する声が出ている。
- DigitalBridgeの独立性維持は評価されている。
- ソフトバンクのAI投資が次のステージに進むとの期待論。
- 株価反応を踏まえ、投資家心理が敏感になっているとのコメント。
孫正義の豆知識 5選
孫正義の豆知識 1:決断のスピード重視
孫正義はスピード感ある意思決定で知られ、短期間で大規模な投資判断を下すことが多い。例えば、AI関連投資や主要企業買収の際には、他社が慎重になる中でも迅速に交渉を進めるスタイルが際立っている。これは彼自身が「時代の変曲点を逃さない」ことを信条としているためだ。
孫正義の豆知識 2:Vision Fund設立
ソフトバンクは世界最大規模の投資ファンド「Vision Fund」を立ち上げ、AIやロボティクス、次世代通信分野などに巨額投資を行っている。これは単なるキャピタルゲイン追求ではなく、未来の主要産業を形成する企業を育成する意図があると評されている。
孫正義の豆知識 3:AI「人工超知能(ASI)」へのこだわり
孫はAI技術を単なるツールではなく、人類の進化を推進する基盤と位置付けている。彼は「Artificial Super Intelligence」という概念を掲げ、AIインフラへの投資を積極的に進める理由として、この長期的ビジョンを繰り返し強調している。
孫正義の豆知識 4:過去の大型買収経験
ソフトバンクは過去にSprintやSupercellの買収など、世界的なM&Aを幾度も成功させてきた。これらの経験が現在のAI投資戦略やデジタルインフラ買収戦略に活かされているとの評価がある。
孫正義の豆知識 5:リスク許容度の高さ
孫は一般的な日本企業経営者よりもリスク許容度が高く、失敗を恐れず挑戦する姿勢を貫いてきた。これはビジョンファンドにおける大型投資や新規事業への資金投入を通じて繰り返し示されている特徴であり、今回のDigitalBridge買収にもその哲学が反映されていると見る向きがある。



