AppleがiPhone向けに設計された高性能チップ「A18 Pro」を初めてMacBookに搭載した低価格モデルを準備しているとの噂が浮上しています。著名アナリストのMing‑Chi Kuo氏によると、2025年第4四半期後半から2026年第1四半期にかけて量産が開始され、2026年前半に13インチディスプレイ搭載モデルが登場する見込みです。
この新型MacBookは、シルバー・ブルー・ピンク・イエローのカラーバリエーションを展開し、既存のMacBookよりポップで親しみやすい印象に仕上がると伝えられています。価格は未定ながら、MacBook Air(M4搭載・999ドル〜)よりも抑えられ、学生やサブ機を求めるライトユーザーに最適化されるとのことです。
スペック面では、A18 Proのシングルコア性能は既存のM4チップ(例:Mac mini搭載)にわずかに劣る程度とされ、Geekbenchスコアでは拮抗している一方、マルチコア性能では差が広がると報じられています。ただし、ターゲットとされる用途(文書作成・ブラウジング・動画閲覧など)であれば、性能不足を感じる場面は少ないだろうと見られています 。
また、Apple Intelligence関連のバックエンドコードに「Mac17,1」という識別子が確認されており、A18 Pro搭載モデルの存在が裏付けられているとのことです。さらに、このモデルはAppleがセルラー通信(5Gモデム)搭載のMacBookを検討している流れの中に位置すると言われており、将来的な拡張性に期待が寄せられています。
販売目標は非常に高く、Appleはこのモデルが2026年のMacBook売上全体の20〜28%を占めることを期待しており、500万〜700万台規模の販売見込みとされています。
「A18 Proチップ」について
A18 Proは、2024年9月に発表されたAppleシリコンの高性能SoCで、iPhone 16 Pro/Pro Maxに採用されています。TSMCの第2世代3nm(N3E)プロセスを用いて製造されており、CPUは高性能コア×2、効率コア×4の6コア構成(最大4.04GHz)です。
GPUは6コアで、A17 Pro比で20%高速化され、レイトレーシング性能も2倍に向上。一方、NPU(ニューラルエンジン)は16コア/35 TOPSで、A17 Proと比べてAI処理速度が約15%向上しています。また、A18 ProはUSB 3.2 Gen 2に対応した高速I/O制御や大容量のキャッシュ(L3合計24MB)を備えるなど、モバイルチップとしては非常に高い処理能力を持っています。