2025年6月18日、日本の国会は「改正ギャンブル等依存症対策基本法」を可決しました。これには、オンラインカジノによる違法賭博の規制強化や、広告・宣伝の禁止が含まれます。さらに、同日参院本会議で成立した「スマホソフトウェア競争促進法」(通称・スマホ新法)は、2025年末施行を目指しており、「iOS/Android」のOS運営者やアプリストア運営者に対し、禁止事項の規定や競争促進の義務を求めています。
アップルはこのスマホ新法に対してパブリックコメントを提出し、特に「オンラインカジノアプリが増える状況を助長しかねない」との強い懸念を表明しています。具体的には、ストアでの規制が緩和されることで、海外ライセンスを持つオンラインカジノのアプリが“スマホから簡単に”インストールされ、日本国内での違法賭博が後を絶たない状態になる恐れを指摘しています。また、スマホ新法の本格施行に向け、公正取引委員会からの指導を念頭に、修正を強く求めています。
同時に政府は、海外にあるオンラインカジノサイトへのアクセス制限を各国へ要請。カナダ、マルタ、キュラソーなど8地域に対し、日本国内からの接続遮断を打診しています 。また、法律施行後の規制強化により、オンラインカジノ運営者に対して国内からの誘導リンク禁止や広告配信停止の義務が課されますが、罰則規定が現時点では未整備であり、実効性に疑問も残っています 。
オンラインカジノとは?
オンラインカジノは、インターネットを通じて、仮想的なカジノゲーム(スロット、ブラックジャック、ルーレット、バカラなど)を提供するサービスです。通常は海外のライセンス(キュラソーやマルタなど)を取得し運営されていますが、日本国内からの利用は刑法上「賭博」にあたり違法であり、利用者も運営者も罰則の対象となります 。
日本国内ではギャンブル依存症対策や若年層への影響を踏まえ、国や行政はオンラインカジノの広告抑制、海外サイトへの接続遮断要請、決済仲介業者への取り締まりなど多面的な対策を進めています 。しかし2025年6月に施行された法改正は、罰則未整備の部分があり、違法景品表示や誘導リンクの制止には頼る面が多く、全面的な抑制には至っていません。



