今秋、日本語を含むリアルタイム翻訳がiPhoneに加わることで、旅行やビジネス、国際交流など、日常からグローバルシーンまで活用シーンが広がりそうです。
アップルは、今年秋より「Apple Intelligence」を搭載したiPhoneやiPadなどの端末で、メッセージや音声通話のリアルタイム翻訳機能を開始します。当初は英語、中国語、スペイン語などに対応し、今回新たに日本語のテキスト翻訳にも対応することで、日本国内のユーザーにとっても大きな利便性が見込まれます。
この翻訳機能は、単なるテキスト翻訳にとどまらず、電話通話のリアルタイムでの音声翻訳も可能で、AIが相手の話した内容を逐一翻訳し、ユーザーに音声で届けるという、通訳のような体験を実現します 。加えて、動画通話の「FaceTime」では話し手の発言をリアルタイム字幕として表示し、他社端末との通話も翻訳対象に含まれると発表されました。
発表は6月9日、カリフォルニア州シリコンバレーで開催された**年次開発者イベント(WWDC)**で行われました。ティム・クックCEOは「Apple Intelligenceを最大限に生かすため、各種製品やソフトを強化している」と語り、翻訳機能だけでなくAIによる総合的強化を打ち出しています。
この翻訳機能は「メッセージ」アプリ内で自動でテキストをユーザー希望の言語に変換し、通話もAIがサポートするほか、FaceTimeでは字幕表示が行われます。また、日本語対応が加わることで、グローバルなコミュニケーションの障壁がさらに下がることになりそうです。
「Apple Intelligence」とは?
Apple Intelligenceは、WWDC 2024で発表され、iOS 18、iPadOS 18、MacOS Sequoiaに統合された生成AI(Generative AI)プラットフォームを指します。これにより:
- Siriがテキストで会話可能に進化し、単なる音声アシスタント以上のAIに。
- 写真やメモ、メッセージなどへの高度な支援が可能に。
- OpenAIのChatGPT連携で、アプリ間でのチャット体験が強化。
- 画像生成や音声書き起こし等の新機能も追加に。
基本方針としては「AIは主役ではなく、ユーザーを強化する存在」とし、すべてのAI処理は可能な限り端末内で完結することでプライバシー保護を重視しているのが特徴です。この秋からは従来の翻訳機能だけでなく、パーソナルアシスタントとしてのAI体験が大幅に向上する見通しです。