米国での規制強化を受け、ショウ・ズー・チュウCEOはTikTokの米国事業を新設立の合弁会社「TikTok USDS Joint Venture LLC」に移管し、売却プロセスを正式に開始したと社内メモで明らかにした。TikTokの親会社である中国のByteDanceは、米国政府が2024年に可決した法律に対応するため、米国内事業の分離か禁止を迫られていた。この動きは170百万以上の米ユーザーに対しプラットフォームの継続利用を確保するための一環だと説明されている。
新会社の株式は、オラクル、Silver Lake、アブダビ拠点の投資会社MGXがそれぞれ15％ずつ保有し、合計で50％を構成。既存のByteDance関連投資家が30.1％、ByteDanceが19.9％を保有する形となる。多数派を占める米国投資家による経営体制で、データ保護、アルゴリズムの安全性、コンテンツモデレーション、ソフトウェア保証が主な業務対象となる予定だ。これにより、米国内のデータ管理と国家安全保障上の懸念に応える構造となっている。
この売却合意は、米国での禁止措置を回避し、長年続いた規制との対立を終わらせる可能性がある。TikTokは2025年初頭、一時的に米国内でサービスを停止した経緯があるが、今回は米国政府が定めた期限までの売却条件を満たすための措置として進められている。新会社は2026年1月22日の取引完了を目指しており、米国国内のユーザーと広告主にとっての安定運営が最優先されている。
しかし、売却をめぐる批判と議論も続いている。特に、オラクルCEOのラリー・エリソン氏との関係性を指摘し、経営体制やアルゴリズム管理の透明性に疑問を投げかける声も存在する。米国内でのTikTokの将来は新体制の実行と規制とのバランスにかかっている。
ネット上の声5選
（※引用ではなく、Web上で目立った論調・感想をまとめたものです）
- 米国主導の合弁企業設立を歓迎し、プラットフォーム存続に安堵する声
- データ保護や安全性強化は評価しつつも、中国系影響を完全に排除できないとの懸念
- 売却によってアルゴリズムの本質的な透明性が担保されるか疑問視する意見
- TikTokが引き続き米国の若者文化に影響を与え続けるべきだという肯定的な論調
- 投資家構成に政治的な背景があるとして批判的な反応
TikTokの豆知識 5選
- TikTokは元々中国でスタートした短編動画のプラットフォームで、世界中で広く利用されている。
- 米国では安全保障上の懸念から複数回の規制や禁止の議論が繰り返されてきた。
- 2025年初頭には、米国内で一時的にサービスが停止される事態も発生している。
- TikTokの人気を支えるのは、独自のおすすめアルゴリズムであるが、これが規制議論の中心となることが多い。
- 合弁会社の設立により、今後は米国ユーザーデータの管理やアルゴリズムの監査が国内主体で行われる予定だ。
