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〈便利な家族機能〉が突きつけた“ひとり支配”の罠 — ファミリー共有が救いから出口なき監視に変わるとき

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WIREDさんの記事「アップルの「ファミリー共有」は子どもを守る。家族が壊れるまでは」がとても興味深かったので、備忘録の意味も込めて要点をササっとまとめておきます。詳細は以下のリンクからどうぞ(*^ー゚)b!!


スマートフォンやタブレットで家族のデバイスをまとめて管理できる仕組みとして、 Apple の「ファミリー共有」は非常に便利だ。家族同士で購入アイテムやサブスクリプションを共有したり、子どものデバイス使用時間を制限したり、位置情報を把握したりできる。
2014年の導入時には、ソフトウェア開発責任者の クレイグ・フェデリギ が「デジタル版冷蔵庫ドア」のように、家族と重要な情報を気軽に共有できるものとして紹介していた。

しかしながら、本来子どもを守り、家族の絆を深めるはずだったこの機能が、実は「家族が壊れたとき」、あるいは「関係が変質したとき」に、逆に人を縛る仕組みに変わってしまうことがあるという。
特に「ひとりの大人(オーガナイザー)が全体を統括する構造」が、離婚・別居・再婚などで家庭の形が変わった際に、子どもやもう一方の親の自由を奪う“デジタルな枷”になるという事例が報告されている。

たとえば、ある母親ケイト(仮名)は、元夫がオーガナイザーであったため、子どもたちの位置情報やスクリーンタイムのデータを元に「どこに行ったか」「誰と会ったか」「どのくらいスマホを見たか」まで問い詰められたという。
しかも元夫がグループ解散に応じなかったため、母親が親権を持っていても子どもたちを新しいファミリーグループへ移すことができず、支配状態が継続した。
こうしたケースは「単なるシステムの不便さ」を超え、「親権を失った親や攻撃性を持つ親が、デジタル空間で子どもを監視・制限」するための手段になりうるという警鐘を伴っている。

一方でこの仕組みは多くの一般家庭にとって、子どものデバイス管理や家族共有を効率的に行うための有力なツールである。そのため、「家族が安定して機能している間」は、理想的に働く。しかし「家族関係が変化する・崩壊する」という前提には、設計段階で十分な想定がなされていなかったという指摘もある。
結論として言えるのは、「便利な家族管理ツールだからこそ、『家族が壊れるまでは』という前提付きである」という現実を、私たちは十分に認識しておく必要があるということだ。


ファミリー共有の豆知識 5選

  1. グループ人数・条件
     ファミリー共有グループには最大6人(オーガナイザー1名+メンバー最大5名)まで参加可能。13歳未満の子どものアカウントを保護者が作成し、子どもをグループへ必ず所属させる必要があります。
  2. 購入コンテンツ・サブスクの共有
     参加メンバーは、管理者が設定したサブスクリプション(例:iCloud+、Apple Music、Apple TV+など)や、購入済みのアプリ・音楽・書籍等を共有できる。共有したくない項目は非表示に設定可。
  3. 子どものデバイス管理機能(スクリーンタイム等)
     ファミリー共有を使うと、子どものデバイスに「承認と購入のリクエスト」「スクリーンタイム」「ペアレンタルコントロール」などを設定できる。子どもの購入やアプリ使用を保護者が確認できる。
  4. 位置情報共有&紛失デバイス探索
     グループのメンバー同士で位置情報を共有でき、「探す」アプリを通じて家族のデバイスを探すことも可能。プライバシーのために位置情報共有を一時停止することもできる。
  5. 離脱・移動・解除には制約あり
     子ども(特に13歳未満)は、自分からグループを抜けることができません。また、オーガナイザーの承認なしに子どもを他のグループへ移すことができないケースがあるため、家族関係が変わると制度上の抜け道が塞がれる可能性があります。
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