OpenAIは、元Appleのデザイナーであるジョニー・アイブ(Jony Ive)と共同で、新しいAIハードウェア端末を開発中と報じられていますが、このプロジェクトは現時点で重大な“技術的問題”に直面しているとの情報があります。
この端末は画面を持たない“スクリーンフリー”設計を特徴とし、ポケットサイズで音声や映像入力を通じてユーザー環境を把握し応答するという構想。もともとOpenAIはアイブの会社「io(io Products)」を買収し、設計ノウハウを取り込んでこのハードウェア分野への拡張を狙っていました。
しかし、開発には少なくとも二つの大きな壁があると報じられています。ひとつは 計算資源の不足 で、AIモデルをリアルタイムに動かせるだけの処理能力を端末に持たせるのが難しいという点。もうひとつは ソフトウェア設計とAI人格の調整、および プライバシーやセキュリティ対応 の難しさです。
このような課題により、当初見込まれていたリリーススケジュールにも遅延の懸念が生じています。OpenAIとアイブ双方とも、公式にはこれら技術的ハードルに対する詳細な説明をしていません。今後、この端末が実用レベルに到達するかどうかは、設計と技術の両輪がうまくかみ合うかにかかっていると言えそうです。
ジョニー・アイブ(Jony Ive)の豆知識
- 本名は Sir Jonathan Paul Ive。英国出身の工業デザイナーで、Appleでの長年の在籍を通じて、iMac、iPod、iPhone、iPad、MacBook など多くの象徴的製品のデザインを主導。
- Apple退社後、デザインスタジオ LoveFrom(ラブフロム) を設立。そこを拠点に、他社とのプロジェクトやコラボレーションも続けています。
- 2024年に、アイブは io(io Products) を設立(あるいは設立に関与)し、AI・ハードウェア設計に軸足を移す動きを見せていました。
- 2025年5月に、OpenAIはこの io を約65億ドルで買収し、ハードウェア開発力を取り込む体制を整えました。
- アイブは、技術が人々の生活に過度に干渉することへの懸念を表明しており、新しいAI端末構想には「人類により良いものを」という信念が込められていると語っています。



