Appleが2027年に新たな混合現実(MR)ヘッドセット「Vision Air」を投入する可能性が報じられました。著名アナリストMing-Chi Kuo氏によると、Vision Airは現行「Vision Pro」より約40%軽量化され、重さは約0.8〜0.9ポンド(約360〜410g)程度。価格も半額以下となる見込みで、約1,750ドル前後が想定されています(Vision Proは約3,500ドル)
軽量化の要因として、チタニウムなどの軽量素材の採用、外観デザインの見直し、バッテリー構成の刷新がささやかれています。外部バッテリーを維持しつつ、本体重量の大幅削減を目指す設計が噂されています。また、Appleの新たな製品戦略として、Vision Proの高級モデルに加え、“より手頃な価格で使いやすい”Vision Airという階層型デバイス展開の布石とも見られます。
Kuo氏は、Vision Airの2027年発売時には100万台規模の出荷を見込んでおり、Vision Pro(現行モデル)は累計出荷数が40万台以下とされていることから、より広い普及が期待されます。
Vision Pro(ビジョンプロ)とは?
Appleが初めて世に送り出した統合型MRヘッドセット「Vision Pro」は、2024年初頭に米国で、続いて日本など各国で順次発売されました。特徴は以下の通りです:
- 高性能チップ搭載:M2プロセッサーに加えて、高速処理専用のR1チップを内蔵。
- 高精細マイクロOLEDディスプレイ:各眼約3,660×3,200画素、23メガピクセルを誇る高解像。
- 直感的操作:視線、手のジェスチャー、音声入力などでコントロール可能。
- **「spatial computing(空間コンピューティング)」**と銘打ち、仮想と現実を融合させた新たなユーザー体験を提供。
- 「EyeSight」機能:外向きのディスプレイに仮想的な目を映し出し、周囲との人間関係・コミュニケーションを維持。
- 用途多彩:エンタメ、プロダクティビティ、3D写真・動画の再生、FaceTimeでのリアルな対話などに利用。
- 課題:重さ(約600〜650g)や価格(3,499ドル)がハードルとなり、一部プロ用途や早期採用ユーザーに限られるものの、企業向け用途(デザイン、訓練、構想可視化など)で徐々に導入が進んでいます。
Vision Airの登場によって、AppleのMRエコシステムはさらに広がりを見せるでしょう。数年先には、軽量・手頃な価格帯のディバイスから、本格空間コンピューティングを体験する時代が到来しそうです。



