Apple、AI戦略に覚悟か──Mistral/Perplexityを買収候補に浮上

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2025年8月、米大手メディア「The Information」の報道によれば、アップルはAIスタートアップであるフランス発・Mistral AIと米国のPerplexityに対して買収を検討していたことが判明しました。これはiPhone 17シリーズ(9月9日発表予定)に向け、AI機能の強化を急ぐ戦略の一環と見られます。

Mistral AIは2023年創業、NVIDIA支援の大型企業で、言語モデルを高速かつ省リソースに稼働できる点が特徴。一方PerplexityはAIを活用した検索エンジンの開発で知られ、情報提供においてソースの透明性を重視しています。

CEOティム・クック氏は先ごろ「AI関連の大型買収に前向き」との姿勢を示し、これまで極力避けてきた高額M&Aへのスタンスを変えつつあるとの見方も出ています。しかし、これまでもBeats(約30億ドル)、インテルのモデム部門(約10億ドル)といった例外を除き、大規模買収には慎重だったことも事実です。

また、Googleとの20億ドルのデフォルト検索エンジン契約が米国で破棄されれば、PerplexityのようなAI検索技術を自前で補う必要も生じる可能性があります。現時点で買収は内部検討段階にとどまっており、正式なオファーや契約には至っていません。


アップルにおけるこれまでのAIへの取り組み

アップルのAI戦略は他社と異なり、“大規模買収”を避けつつも、ユーザー体験を軸に慎重に進める姿勢が見られます。

  • Siri(2011年):音声アシスタントSiriはiPhone 4Sで初登場。Nuanceの音声認識技術を活用し、AIの表舞台へ。
  • Neural Engine搭載チップ:2017年のA11 Bionic以降、全てのAppleシリコンに専用のAIプロセッサ(Neural Engine)を組み込み、機械学習演算を高速化。
  • Core MLなどの開発者向けツール:モバイル上でMLモデルを動かすためのフレームワークを提供し、アプリ開発にAIを活用しやすく。
  • Apple Intelligence:2024年以降、文章作成支援や画像生成、Visual Intelligence、Siriの強化などの機能を提供。プライバシー重視の“オンデバイス処理”が大前提。
  • Siriリニューアルの遅延と方向転換:Generative AI導入を試みたものの、プライバシーとの両立に苦戦。Siriの大幅改良は延期され、社内でもAI戦略の再構築が進行中 。
  • 外部技術との連携も模索:OpenAIのChatGPTをSiriに部分的導入するなど外部AIとの併用を進めてきました。最近ではGoogleのGemini導入も検討中とされ、社内開発(Linwood/Glenwood)との併走体制です。
  • AIチームの強化・インフラ投資:AI担当のジョン・ジアンナンドレア(元Google)が中核を担い、プライバシー重視のPrivate Cloud Computeの整備や高性能データセンター建設に向け大規模投資中。

まとめると、アップルは「AIで最も強力な存在になる」より、「ユーザー体験を守りつつ、安全かつ効果的に使えるAIを提供する」ことを目標に据えており、そのための地道なインフラ整備と戦略的柔軟さを強化している最中です。

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