Switch 2本体の修理困難ぶり
iFixitは、2025年6月に発売されたNintendo Switch 2の分解レビューで、修理しにくさを強く批判。スコアは10点満点中わずか3点。バッテリーは強力な接着剤で固定され、フラッシュストレージやUSB‑Cポートも基板へハンダ付けされており、自力での交換は極めて困難と指摘されています。隠された三角ネジ、取り外し時に破損しやすい剥がしシール、異なる種類の熱伝導グリスなど、メーカーによる“修理の難しさ”への配慮不足が露呈しました。一方でファン、マイク、ヘッドホンジャック、microSDリーダーなどは比較的アクセスしやすいとの評価もあります。
また、Joy‑Con 2は依然としてポテンショメーター式のスティックを採用しており、ドリフト問題も予見されています。これらは従来と同様に“価格は上がっても品質改善は不十分”とする批判を受けています。
Switch 2 プロコントローラーも“ダメ出し”
続いてiFixitは、Switch 2用プロコントローラーについても徹底分解。「piss‑poor excuse for a controller(言語通り訳すなら“クソダメなコントローラー”)」と酷評。89ドル〜100ユーロ相当の価格帯に見合う設計ではないと断じました。
ヘッドプレートは強力な接着剤で固定され、ネジは内部に隠され、内部基板を外さなければ電池にもアクセスできず、交換すら容易ではありません。ジョイスティックも旧型と変わらぬポテンショメーター製で、ドリフトの温床となる設計が放置されています。唯一取り替えやすいのはイヤホン端子のみと評価されました。
iFixitは、耐久性・持続可能性・修理のしやすさという点で、Hall効果センサー搭載のサードパーティ製コントローラー(例:Gulikit Elves 2 Pro)が価格・性能共に優れているとし、「任天堂はブランド名にあぐらをかいている」とまで断じています。
ただし、あくまで「修理の難易度と耐久性重視の視点」からであり、操作性そのものは好評である点も再確認されています。
iFixitとは?
- 概要:アメリカ発のテクノロジー修理・分解ガイド専門サイト。電子機器を対象に分解・修理難易度を評価し、公式マニュアルや純正部品が入手困難な製品の対応法を提案。
- 特徴:任天堂やAppleなど主要メーカー製品の“修理困難さ”を批判し、修理可能な設計(Right to Repair)を支援。独自の分解ガイドと修理用ツールキットの販売も行っています。社会活動として「消費者が自分の所有物を自ら修理できる権利」を主張する一翼として注目されています。
総評
任天堂はSwitch 2とそのアクセサリで、デザインや操作性を進化させた一方、修理・メンテナンスの面では後退しているという評価が浮上。iFixitはこうした設計思想への反省を促すとともに、「修理しやすさ」はサステナブル製品に不可欠な指標であると訴えています。




