Appleが計画していた“iPad+HomePod”融合端末、コードネーム「HomePad(スマートホームハブ)」は、当初2025年初頭の発表・発売を目指していたものの、最新情報では2026年に延期される見通しが濃厚となっています。
この製品は、iPad mini程度(6〜7インチ)のスクリーンを備え、HomePodのようなスピーカーを内蔵。壁掛けや据え置きにも対応し、スマートホーム操作、FaceTime、HomeKit連携などが可能な設計です。内部にはA18チップを搭載し、Apple Intelligenceを活用した高機能音声AIを前提に開発されています。
延期の主因は、新Siri導入のための 「App Intents」 フレームワークを含むボイスAI機能の実装が遅延していること。これらはiOS 18.4/18.5に合わせて登場予定だったものの、現在も品質向上が求められており、HomePad発売を支える重要技術として不可欠でした。しかし、Siriの改良がまだ整っておらず、その後続的に製品計画も先送りとなりました。
BloombergのMark Gurmanは、Power Onニュースレターで「2025年内の登場はほぼ期待できず」「2026年が現実的なタイミング」と断言。また、実際にiOS 18.6の開発者β版からはHomePadと思われるUIの痕跡も確認されており、開発が進んでいることは示唆されています。
Appleとしては、2025年のiPhoneおよびiPadラインの売上で収益の安定化を狙い、このHomePadは次なる収益源として位置づけられていました。しかし、AI/ソフトウェア面での準備が未整備のままハードウェアを出しても本来の価値を提供できないとの判断から、2026年以降発売へとシフトしたようです。
HomePodとは
HomePodはAppleが手がける高音質スマートスピーカーで、AirPlay 2を活用した家庭内のオーディオ再生や、Siriによる音声操作、HomeKitデバイスのコントロールが可能です。2018年に第1世代、2023年に第2世代が登場。第2世代では5つのツイーター搭載やS7チップ・温湿度センサー・Matter対応なども実装され、優れた音質とAppleエコシステムとの連携で高評価を得ています(ただし音声アシスタントの対応サービスは限られる)。
特にHomePodの強みは、独自のルームカルibration(ビームフォーミング)技術による音響最適化。Siriを通じたリマインダーやメッセージ読み上げ、ホームオートメーションもサポート。エコシステム内でのAirPlayなどと連携しやすい点も魅力です。



