Appleは、2024年に米国のApp Storeエコシステムが開発者の請求と販売で4,060億ドル(約63兆円)を記録したと発表したと、酔いどれオヤジのブログwpさんが紹介していたのでご紹介です。
これは2019年の1,420億ドルから約3倍の成長であり、App Storeの経済的影響力の大きさを示しています。この成長の主な要因は、食品や日用品のデリバリー、エンターテインメント、企業向けアプリの需要増加です。具体的には、物理的な商品とサービスの売上が2,770億ドル、アプリ内広告が750億ドル、デジタル商品とサービスが530億ドルを占めました。
注目すべきは、これらの取引の90%以上がAppleに手数料を支払っていないことです。これは、Appleがプラットフォームとしての役割を強化し、開発者がより多くの収益を得られるようにした結果です。
また、米国の開発者の収益は過去5年間で2倍以上に増加し、特に年間収益が100万ドル未満の小規模開発者の収益は2021年から2024年の間に76%増加しました。
AppleのCEOであるティム・クック氏は、「App Storeは15年以上にわたり、あらゆる規模の開発者や企業に素晴らしい機会を提供してきました。私たちは今後も、開発者が革新的なアプリを開発し、ユーザーに変革的な体験を提供できるよう、強力なツールやリソースへの投資を続けます」と述べています。このように、App Storeは単なるアプリ配信プラットフォームから、開発者とユーザーをつなぐ経済エンジンへと進化しています。今後も、開発者との関係性を深化させながら、さらなる成長が期待されます。
App Storeの歴史
AppleのApp Storeは、2008年7月10日に500本のアプリでスタートしました。当初は無料または有料のアプリのみでしたが、2009年にはアプリ内課金が導入され、特にゲーム分野での収益化が進みました。2010年には、Mac向けの「Mac App Store」が発表され、2011年1月に正式に開始されました。これにより、iOSだけでなくmacOSでもアプリの配信が可能となりました。
その後も、App Storeはアプリの最適化(ASO)やサブスクリプションモデルの導入など、さまざまな進化を遂げてきました。特に、COVID-19の影響を受けた2020年から2021年には、リモートワークやオンライン学習の需要増加により、アプリ市場全体が活性化しました。現在では、App Storeは175以上の国と地域で展開され、開発者とユーザーをつなぐ重要なプラットフォームとして、世界中で利用されています。
■ 2008年7月10日
App StoreがiOS(当時はiPhone OS)向けに正式オープン。開始時点で約500本のアプリが公開。
■ 2009年6月
アプリ内課金(In-App Purchase)機能を導入。ゲームなどの収益化が加速。
■ 2010年10月20日
Mac App Storeが発表され、macOSアプリの配信も開始される(2011年1月6日開設)。
■ 2011年7月
App Storeでダウンロード数が150億回を突破。
■ 2012年7月
App Storeが24時間で初の1,000万ダウンロードを記録。
■ 2013年6月
「iOS 7」の登場に合わせてApp StoreのUIが刷新。自動アップデート機能も導入。
■ 2015年
Search Ads(検索連動型広告)を一部地域で導入。アプリのプロモーション手法が多様化。
■ 2017年9月
iOS 11でApp Storeが大規模にリニューアル。アプリとゲームのタブが分離される。
■ 2019年6月
Appleが独占禁止法を巡って欧州委員会の調査対象に。App Storeの運営体制が注目され始める。
■ 2020年
Epic Games(『フォートナイト』)との訴訟問題が始まり、App Storeの手数料問題が国際的に話題に。
■ 2021年
App Storeの年間収益が初めて6,000億ドル規模の経済圏として評価される。
■ 2022年
韓国や欧州での規制対応として、一部で外部決済導入が可能に。
■ 2024年5月
AppleがApp Storeエコシステムによる年間取引総額が4,060億ドル(約63兆円)に達したと発表。



