Appleが、欧州連合（EU）の規制に対応する形で、iPhoneやiPad、Macなどのデバイスにおいて、デフォルトの音声アシスタント「Siri」を他社製のアシスタントに切り替え可能にする計画を進めていると報じられました。これにより、EUのユーザーは、AmazonのAlexaやGoogleのGemini、OpenAIのChatGPTなどをデフォルトの音声アシスタントとして設定できるようになる見込みです。
この動きは、EUの「デジタル市場法（DMA）」に準拠するためのもので、AppleはこれまでiPhoneのデフォルト音声アシスタントとしてSiriを固定していましたが、今後は他社製アシスタントへの切り替えが可能になるとされています。具体的な導入時期は明らかにされていませんが、iOS、iPadOS、macOSなど複数のプラットフォームでの対応が検討されているとのことです。
この変更により、ユーザーは自身の好みに合わせて音声アシスタントを選択できるようになり、よりパーソナライズされた体験が可能になると期待されています。一方で、Appleにとっては、Siriの独占的地位が崩れることになり、競合他社との競争が激化する可能性があります。
Siriとは？
Siriは、Appleが開発した音声アシスタントで、2011年にiPhone 4Sとともに初めて搭載されました。ユーザーは「Hey Siri」と話しかけることで、電話の発信、メッセージの送信、リマインダーの設定、天気の確認など、さまざまな操作を音声で行うことができます。
Siriは、Appleの他のサービスやアプリと連携して動作し、ユーザーのプライバシーを重視した設計が特徴とされています。しかし、近年では、AmazonのAlexaやGoogleのAssistantなど、他社の音声アシスタントと比較して機能面での遅れが指摘されており、AppleはSiriの改善に取り組んでいます。
